要介護状態で医療的ケアも必要な人の、在宅療養を支える介護保険サービスである看護小規模多機能型居住介護、いわゆる看多機サービスが介護業界に広がっています。
訪問看護や短期宿泊など、医療と介護の垣根を超えた支援を、1つの事業所でまとめて受けられるのが特徴です。
家族の介護疲れ軽減も期待でき、専門家は地域福祉の中心的存在を担う、と話します。
看多機サービスの例として、要介護5状態である80歳の女性を紹介します。
この女性は、40代後半で発熱や全身倦怠感、関節炎などを伴う難病も発症し、介護と医療の両面での支援が欠かせなくなっていました。
一時は入院をしましたが、本人も家族も自宅で暮らし続けたいという希望があり、看多機サービスを利用し始めたそうです。
看多機サービスは、訪問看護や介護、事業所のデイサービスなどの通いや短期的な泊まりを組み合わせ、可能な限り自宅での生活を続けられるように支援します。
本人や家族の状況に応じ、各サービスの回数を調整できるため、生活の充実や家族の介護負担軽減が期待できます。
また、別々の職場に所属していることが多い看護師や介護職員が、同じ事業所で支援に当たることも利点です。
健康管理はもちろん、本人の性格や家庭状況も共有し、行き届いたサービスが受けやすくなります。
さらに、看多機サービスの役割は、自宅で過ごすことを後方支援する場所であるということです。
看多機サービスによって、在宅療養の全ての問題が解決できるわけではありません。
本人の意思はもちろん、家族や地域からの支援も欠かせないのです。